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日本酒の会ー大山の会ー 開催のご報告

みなさま、こんにちは。待ちに待った日本酒の会ー大山の会ーがいよいよ開催されました。楽しかったです~。今回は山形・鶴岡市大山地区より「加藤嘉八郎酒造」さんをお招きし、大変和やかに、また時に大爆笑、蔵元さんとも大いに語らいながら、最後までとても楽しく過ごさせていただきました。いつもですと私もお客さまをかき分け参加させていただくのですが、残念ながら(?)今回はスタッフとして参加させていただきました。お客さまと一緒に楽しみたかったなぁ、食べたかったぁ、飲みたかったなぁ。。。。。。あぁ。

いやいや、お客さまをお迎えしてなんぼの立場。当然です。はい。

まずは、大山さんについて。

酒蔵のある大山の町は天領(幕府直轄地)として江戸時代から本格的な酒造りが始まり、当時は広島の西条、神戸の灘とともに並び称された大変由緒正しき酒どころです。山形には皆様もご存じの大変有名な蔵元さんが多い地区ではありますが、和食に携わる我々としては、「大山」さんは絶対に外せない蔵元さんの一つと考えています。

庄内の海の幸、山の幸、素晴らしい食の世界のあるこの地区ですが、「大山」さんのお酒は、これらお料理に寄り添う、そんなお酒だなぁと感じています。我々日本人が大切にしてきた調和、融和、わびさび、そんなところにとても重きを置いた酒造りをされていらっしゃいます。「お料理の邪魔をしない」「お料理がさらに引き立つ」そんな言葉で締めくくっては失礼なのですが、あえてでしゃばらない、相手をおもんばかる、そんなことを感じるお酒なのです。だから最後まで飲み飽きない、いつまでも美味しく楽しく呑めてしまう。本当に素敵なお酒です。

さてさて、私のうんちくはさておき、このたび山形よりわざわざお越しいただきましたのは、営業企画担当の加藤嘉晃さん。お人柄の素晴らしい笑顔の素敵な人懐っこい好青年です。終始お客さまのお席を周り丁寧に質問に答えていただき、和やかにご対応いただきました。お話しも面白く、また、大山ならではの仕込みや酒造りの手法や、どんなチャレンジをされているのか、とても興味深いお話しをたくさんいただきました。

ではでは日本酒の会のご報告です。

1.大山 しぼりたて 特別純米

◆桜海老海苔塩

山形県オリジナルの酒米「出羽の里」を使用し、山形酵母を使用したというオール山形の季節限定のしぼりたてです。口当たりはソフトで後味は軽快なのですが、奥深さも感じるなんとも粋なお酒でした。合わせたお料理は桜海老の掻き揚げですが、味付けにはわさび塩、海苔、チーズ、とこちらも最初からちょっと変化球。今日はなかなか面白いスタートでした。

2.大山 番外品 特別純米

◆鮭くんせいとちぢみ法蓮草焼浸し

新化し続ける大山をいただきました。美味しい!火入れ後に、-5℃で瞬間冷却をし長期貯蔵した素晴らしい一本。熟成酒ならではの滑らかな口当たりとたっふりの旨みに加え、なんとフレッシュさも残る、そんなことあります?いやぁ、なんともにくいお酒です。これができるのはやはり「大山」だけなのではないでしょうか。合わせたお料理も面白くて、鮭を燻製にし、なんと瞬間冷却。燻製の香りを閉じ込めた一品となっておりました。番外品に負けないバランスのいい取り合わせだったと思います。

3.吟撰大山 28BY 純米吟醸

◆海老蓮根まんじゅう

タンクから生詰された熟成の豊かさがそのまま詰まった一品。上品に香る華やかな香りと、柔らかくもキメ細かいシャープでさらりとした口当たりがなんとも飲みやすい一本です。お料理は、あえてつなぎ無しで蓮根と海老だけを使用し、蓮根は細かくすりおろし、その搾った汁を杏として使用することで口当たりは滑らか、風味、味は食材そのままを感じていただける一品に仕上げました。お酒の口当たりとお料理の口当たりが絶妙な取り合わせでした。

4.大山 燗麗辛口 本醸造

◆豚バラ大根

何も言うことはありません。とにかく美味しい。「燗麗辛口」と名前の通り、お燗のために生まれたようなお燗にして最高のお酒でした。味わい深く、米の旨み感がじわぁ~と後から後から追いかけてくる、でも後味がとてもやさしい、、、いいとこばっかじゃん、っていうお酒です。燗好きの方には是非おススメしたい一本です。合わせたお料理は、豚バラ大根。燗には合うでしょ。有馬山椒とニンニクの芽を使い、香りと口どりを工夫することでほんのりアクセントを効かせていました。

5.大山 無濾過生原酒 純米吟醸 28BY

◆ニラ玉しらす

28BYのお酒。28BYというのは、28Brewery Year の意味。つまり、28年醸造ということになるのですが、日本酒の世界でいう醸造年度は、7月です。なので、28BYと書いてあった場合は、28年7月~29年6月の間に醸造されたお酒のことになります。大山さんは醸造されてから瞬間冷却で鮮度を保ちながら熟成させるという、コクがあってフレッシュでという相反するお酒を作ってしまう蔵元さんなのですが、このお酒も本当に深い。重厚で味わい豊かでありながら生酒の風味も同時に味わえる、本当に贅沢な一本です。合わせたお料理はニラ玉しらす。ニラ玉といいながら玉子は生で黄身だけを使いニラを食べていただくというとてもシンプルなお料理でした。ですが、お酒があまりに奥深いので、お酒をさらに引き立てたバランスのいい組み合わせだったと思います。

6.大山 超辛口 特別純米

◆里芋と烏賊の炭火焼

こちらも燗で本当においしいお酒でした。精米歩合が60%ですので、本来は純米吟醸を名乗れるはずですが、あえて純米酒としてご提供されています。こちらも大山さんの特技でもあります瞬間急冷の製法のおかげでほどよく吟醸香も感じられ、日本酒度も+13あるにもかかわらず辛口ですが、まろやかでそこまでの辛さは感じません。さらに、ちょっと面白かったので、栓を開けてすぐに燗をつけて飲んだ時と少し置いてから燗つけして飲んでみたときに飲み口が全然違ったのです。瞬間急冷のさせる技なのかよくわかりませんが、ワインの抜栓のようにどんどん味がこなれてくるのです。とろっとした感じがもうなんともいえなく美味しかったです。合わせたお料理は里芋と烏賊の炭火焼き。烏賊が持っているうまみ成分を充分に引き立てるよう調理したとのこと。しかも、烏賊は炭火と塩辛とを合わせて提供されました。う~ん。お酒が進む組み合わせですね。

7.十水 特別純米 (とみず)

◆あさりと新じゃが芋酒バター蒸し

さてさて、いよいよやってきました「十水」(とみず)。大山を代表するお酒の一つ。お酒の名前にもなっておりますが、「十水」というのは、江戸時代後期に編み出された「十水仕込み」という酒造りの製法の一つです。現在の酒造りは、米10に対して水12が主流だそうですが、それをあえて米10に対し水10で仕込むというもの。醪(もろみ)が多い分、そのコントロールが難しいとのこと。精米技術も格段良くなっている現代において、米の溶け過ぎなどの影響を抑えるためにも10:10で造るということは大変な技術だそうです。それにあえて挑戦しているのが大山の「十水」です。また何がすごいのかっていうと味わいは濃厚なのに後味はすっきりとしていて、造り方が難しい分、当然多少の無理がかかっているはずなのに、味わいはまるで自然なまま。いいところだけを残してしっかりと造られた本当に素晴らしいお酒です。おみごとです。合わせたお料理は、あさりと新じゃが芋をバター蒸しにした一品。大山のお酒を使用したお椀仕立ての酒バター蒸しです。もう、十水を飲むために味わっていただければ、という一品です。

8.十水無濾過生原酒 特別純米 29BY 仕込み6号

◆天然鯛と春野菜昆布〆

最後にはなんと十水の無濾過生原酒。十水仕込みで造られたお酒を生酒で保存しておくのは大変難しいとのこと。完全予約受注生産品です。このたび、木花の日本酒の会のために分けていただきました。本来は蔵の槽口でしか味わえない特別なお酒です!濃厚ながらも心地よい酸と米の旨み、さらに生酒らしいシューシーで柔らかい膨らみのある酒質。これ以上の幸せはあるかしら・・・米の旨みが凝縮されているのでとても甘く感じるかもしれません。お好みにもあるかもしれませんが、もうこれは本当に美味しい。幸せなひとときでした。合わせたお料理は、なんと最後の最後でお造里です。天然鯛と春野菜の昆布〆です。二日寝かせて鯛本来の旨みが出たところで昆布〆し、このわた醤油でいただく一品。これだけ米の旨み感があり、にもかかわらずジューシー。最後に熟成されたお造里が出たのも改めて納得。最高の組み合わせだったように思います。

さてさて、このように日本酒の会も無事にクライマックスを迎えました。お客さまもとても満足そうな笑顔をされていてとてもうれしい限りでした。そして、最後は、お酒や大山さんにまつわるクイズとジャンケン大会で大盛り上がり。大山さんより今回の日本酒の会の名前や日付を入れていただいたオリジナルの前掛けや升をご提供いただき、最高に楽しい時間でした。私はご存じの通り今回は参加していなかったのですがどうしても欲しくてしら~っとジャンケン大会に参加し、なんと大山さんの升をゲットしてしまいました。すみません。本来は返上すべきでしょうが、どうしても欲しかったのでいただいちゃいました。お客さま本当にすみません。0303-27

そしてなんと、なんと、ここからがまた本当にすごいのです。いよいよ〆という時に、大山さんからサプライズ過ぎるサプライズ、特別過ぎる特別なお酒を一本いただいてしまったのです。世界に70本だそうです。しかも、この日本酒の会のためのオリジナルラベル。みなさま、わかります?もう凄すぎてよくわからない。テンションが上がり過ぎっちゃってその後のことをあまりよく覚えていないのです。すみません。加藤さん、本当に本当に本当にありがとうございました。私のつたないコメントはあまりにも失礼なので、どれだけすごいお酒であるかをご紹介しておきたいと思います。

■大山 蔵隠れ 壜囲い大吟醸原酒

厳選された最高級の米の一粒一粒を四割以下になるまで搗き上げ高度な技術と厳重なる醸造管理の基で、厳寒の中、わが子を育むように大切に醸成し、厳格なる官能的判断の基で、醪自身が自然に形づくった濾過層を通過し流れ来る、その時々の調和を直接この壜に別取り採集し、壜燗後ただちに冷蔵したものです。

どうですか。こんな貴重なお酒をいただき、もちろんお客さま全員に最後に召し上がっていただきました。本当に最高の日本酒の会になりました。

最後になりますが、このたびこれだけ飲みごたえのある濃密な日本酒の会にしていただきました加藤嘉晃さん本当にありがとうございました。いづれこの素晴らしい大山を引き継がれて行かれる方だと思うのですが、これからの大山、益々楽しみですね。目が離せません。そして、今回大山さんとのご縁を繋いでいただきました勝鬨酒販の黒沼さん、本当に本当にありがとうございました。黒沼さん抜きにはこの会は語れません。黒沼さんと加藤さんとの深い絆のお陰で、最高の会となりました。本当にありがとうございました。

そして、この会を盛り上げて下さいましたお客様。本当にありがとうございました。みなさまが作ってくださる雰囲気のお陰で毎回とてもすばらしいパフォーマンスができるのだと改めて感謝しております。お客さまに恵まれ木花は本当に幸せです。

これからも益々素敵な会が開催できるようスタッフ一同精一杯頑張ります。

 

 

◆超重要な追伸:

お客さまがお帰りになられた後の雑談の中で、次回は是非杜氏さんをお連れくださる「かも」、との貴重なご発言がありました。私はその言葉絶対に忘れません!!!いつまでも何年でもお待ちしております・・・。

加藤さん、固い握手もしたよね。